• BLE通信を使った、環境センサーデータの取得方法をご紹介!

本記事のポイント

複数箇所のセンサー情報を無線で取得したい場合、一つの方法としてBLE通信を使用する方法があります。IoT組み込みエンジンNEQTOの、専用のデバイスNEQTO Bridgeを利用すれば、BLE機能をご使用いただくためのbleオブジェクトがあるため、簡単にBLE通信を行うことが可能です。

そこで今回のブログでは、NEQTO Bridge とBLE環境センサーを使用して、BLE経由でセンサー情報を取得する方法をご紹介します。



1. はじめに

建物内や耕地などの情報を収集する場合、複数箇所に配置したセンサー情報を無線で収集したいというシーンが出てくることがあると思います。その場合、IoT Gatewayのように複数のセンサーをローカル無線通信で束ね、LTE経由でサーバーと通信するという方法をとることで、個々にLTE通信してデータ通信するよりも製品単価や通信費が圧縮され、サーバーへの負荷を軽減することができます。

 図1. センサーから直接LTEでサーバーと通信

図1. センサーから直接LTEでサーバーと通信

図2. センサーからGateway経由でサーバーと通信

図2. センサーからGateway経由でサーバーと通信

今回は、このローカル通信にBLEを使用した場合にセンサー情報を取得する方法を紹介します。

2. BLE(Bluetooth Low Energy)通信機能のご紹介!

BLEはBluetooth Low Energyの略です。BLEにてデータ通信を行う方法は2つあります。2つの方法について、以下でBLE SensorとGatewayという関係を使って説明します。

① ブロードキャスト用アドバタイズによる通信:1対n接続 (片方向通信)

Gatewayは複数のBLE Sensorからデータを受信できます。BLE SensorからGatewayへデータ送信できますが、GatewayからBLE Sensorへはデータ送信できません。また、暗号化通信はサポートされません。

図3. ブロードキャスト用アドバタイズによる通信

図3. ブロードキャスト用アドバタイズによる通信

② GATT通信:1対1接続 (双方向通信)

GatewayとBLE Sensorは1対1通信で、暗号化通信を行うことが可能です。

図4. GATT通信

図4. GATT通信

3. 環境センサー情報の取得方法

今回のブログで使用する環境センサーはオムロン社製 形 2JCIE-BU 環境センサ (USB型) (以下、2JCIE-BU)です。2JCIE-BUはブロードキャスト用アドバタイズで温度、湿度、照度、気圧、騒音、3軸加速度、eTVOC、不快指数を取得できます。今回は解説しませんが、GATT通信 (BLE connection)でセンシングデータの保存・取得、地震発生時の加速度データ取得、LED点灯やモード切替などの各種設定が行えます。

図5. オムロン社製 形 2JCIE-BU 環境センサ

図5. オムロン社製 形 2JCIE-BU 環境センサ

次世代IoTプロダクトのための組み込みエンジンNEQTOでは、NEQTO Engine を実行する専用のデバイスNEQTO Bridge Wi-Fi ModuleでBLE機能を対応しています。

NEQTO BridgeではBLE機能をご使用いただくため、bleオブジェクトをご用意しています。

今回は、2JCIE-BUからブロードキャスト用アドバタイズにて送信される温度、湿度、気圧、騒音、eTVOCをNEQTO Bridge Wi-Fi Moduleで受信し、NEQTO Console上で可視化します。NEQTO Consoleとは、NEQTO Engineのデバイスやハードウエアを管理・リモート制御するためのクラウドサービスです

図6. 構成図

図6. 構成図

使用するデバイスと機器

今回使用するデバイスと機器は以下の通りです。

本ブログで使用するスクリプトは近日アプリケーションノートに掲載予定です。アプリケーションノートはアカウント登録を行った企業様だけが閲覧できますので、NEQTOのご利用に興味がございましたら、お気軽にNEQTOアカウントへのご登録またはご相談ください。

実際に事務所内のコンセントに2JCIE-BUを設置し、スクリプトの実行を終えて取得したセンサー情報のチャートを以下に示します。

図7. 2JCIE-BU設置イメージ

図7. 2JCIE-BU設置イメージ

温度

空調が動作し始めた8時から温度が下がっていくことがわかります。

図8. 温度センサー情報

図8. 温度センサー情報

温度

図9. 湿度センサー情報

図9. 湿度センサー情報

湿度については、相対湿度です。相対湿度とは、ある温度の大気中に含まれる水蒸気量を、その湿度の飽和水蒸気量で割った割合になります。

• 相対湿度 (%RH) = 水蒸気量 / 飽和水蒸気量 x 100

飽和水蒸気量は単位体積あたりに含むことができる水蒸気量で、気温によって変化し、気温が高くなると多くなり、気温が低くなると少なくなります。つまり、気温が下がれば相対湿度が上がる傾向となっています。そのため、温度と湿度が上下反転したようなチャートになっています。

照度

8:25頃出社したことから照度が300lxから700lx~800lxに変化しています。

図10. 照度センサー情報

図10. 照度センサー情報

気圧

日本気象協会の発表では9:00時点で991.1hPaであり、測定値は989.0~989.5hPaという結果でした。

図11. 気圧センサー情報

図11. 気圧センサー情報

騒音

平均的には50dBであり、突発的に60dB~80dBの騒音レベルが測定されています。

図12. 騒音センサー情報

図12. 騒音センサー情報

騒音の目安としては、環境省の「一般環境騒音について」の中の「騒音の目安について」を参照しますと50dBで「霊園(昼間)、町の戸建住宅地 (昼間)、図書館の館内」となっています。

70dB~80dBですと「幹線道路周辺 (昼間)、在来鉄道の車内、航空機の機内、蝉の声、ゲームセンター店内」のレベルです。事務所内ではそのレベルまでの騒音は発生していません。

2JCIE-BUの性能を確認しますと、精度として参考出力となっています。カタログ上「参考出力はご参考として提供するもので、その範囲で常に正常に動作することを保証するものではありません。」と記載がございます。

突発的な騒音はあまり参照せず、ベースの騒音レベルを参考にするのが良いのかもしれません。

eTVOC

eTVOCは総揮発性有機化学物量相当値 (equivalent Total Volatile Organic Compounds)の略です。ここでVOCとは、アルコールやタバコの煙、ホルムアルデヒドなどに含まれる揮発性有機化合物 (Volatile Organic Compounds)です。

揮発性有機化合物の種類によっては、TVOC値が通常よりも高く、または小さく出力されることがあることに注意が必要です。

図13. eTVOCセンサー情報

図13. eTVOCセンサー情報

eCO2

eCO2はequivalent CO2の略です。

図14. eCO2センサー情報

図14. eCO2センサー情報

eCO2の説明につきましては、形 2JCIE-BU01 環境センサ (USB型) ユーザーズマニュアルより抜粋した内容を以下に示します。

eCO2 (equivalent CO2)は、eTVOCから算出されるCO2濃度相当であり、CO2を直接測定していません。eCO2は、人間の呼吸が屋内でのVOCの主要な発生源となることを前提に、測定したeTVOCとの相関をアルゴリズムにより推定した値です。従って、人間以外の発生源からのVOCが大きくなった場合、eCO2の値も大きくなってしまうため、CO2の測定を必要とする用途には使用できません。

eCO2はeTVOCから算出されるとのことからチャートの表示は似たような傾向を示しています。

実際に事務所の測定値は、1500ppmから空調が動作してから750ppmを下回っています。空調が動作する前までは眠気を伴うようなCO2量だったのが、問題ない数値まで下がっていることが分かります。

出典:内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室

出典:内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室

4. まとめ

今回は、環境センサーを用いて、BLE通信機能を紹介しました。2JCIE-BUを事務所内に配置することで、事務所の環境が簡単に把握できました。本ブログでは1つの2JCIE-BUを使用したケースで解説しましたが、複数個使用することも可能です。また、2JCIE-BUはGATT通信することで地震発生時の加速度データが取得できるなどとてもユニークな製品と思います。

BLEだけではなく、Local通信であるZigbeeやPrivate LoRaなどもモジュールをNEQTOデバイスへUART接続することで同様のGateway構成が実現できます。本内容はまた別のブログでご紹介をしたいと思います!

今回使用したデバイス

環境センサー [2JCIE-BU] :オムロン